■「幼児教室の選び方」基本的な考え方

「幼児教室選び」の大前提は、「自己責任」であるという事です。

一般的な経済活動、例えば、商品を購買する事と基本的には変わることはありません。そこには、顧客満足というものが存在しなくてはいけません。顧客満足はずばり、「合格」、それ以外のなにものでもありません。合格を勝ち取るには、どうすれば良いか?それを考えることが、重要だと思います。幼児教室を選ぶことに、いい加減ではいけないと気付かれることと思います。その「合格」を勝ち取るための幼児教室通いは、幼児期(3歳〜5歳時)に行われます。通常、この時期の幼児は、毎日、幼稚園に通いながら、楽しく有意義で様々な体験を積み重ね、来るべき小学校に、段々と大きな期待を膨らませていくものです。家庭では、両親のあふれんばかりの愛情のもと、様々な経験を積み、スクスクと成長していきます。その貴重な時期を、幼児教室に通い、勉強や体操etc をやるのです。それ自体は、お子さんにとってある意味、「ストレス」になるかもしれません、いや、なっているはずです。その貴重な時期に、少なくない資金と貴重な時間を注ぎ込むのが、「お受験&幼児教室通い」なのです。ここからは、具体的に、私見(意見)を述べさせて戴きます 。
1
必ず体験授業を受けましょう。体験授業は、その教室の生徒を観察する絶好の機会と考えて下さい。既に入会済みの生徒さんは、その教室での教育水準を判断する最高の見本なのですね。まさに「百分は一見に如かず」ってところでしょうか。 自動車を購入するのに、試乗をしない人はいないでしょう。洋服も同じ、試着しないと買わないでしょう。そう考えればわかりますね。
2
体験授業の質も重要ですね。易しい内容の授業を体験者にやらせる教室は要注意かもしれませんね。以前から居る生徒と同じレベルの授業を受けないと、真の体験授業とはいえないかもしれませんね。また、帰りにお子さんに「おみやげ」を持たせて、「釣る」教室も要注意ですね 。
3
授業や講習を公開しなかったり、見学を望んだところ断る幼児教室には要注意かもしれません。内容に「自信」があれば公開できるはずです 。
4
口コミを確かめましょう。正しい口コミもあれば、間違った口コミもあります。それを冷静に判断しましょう 。
5
実際にその教室に通っていた人に話を聞く事が一番良いと考えます。一方的に教室からの情報を鵜呑みにせず、出来る限り、実際に通っている(いた)人に聞く。実績も正しいかどうか確かめたほうが良いです 。
6
合格体験記があるかも確認しましょう。合格が少なければ、無ければ、合格体験記なんぞ存在しません。中には、合格体験談を聴く会を開催される教室もあります 。
7
合格実績は正しい数字ですか?中には、模擬試験や体験授業を受けたお子さんの合格校を電話で聞き出し、合格実績に加えているところもあります。また、単純な計算ですが、複数の大手幼児教室の発表する合格実績数を足せば、各学校の合格定員を上回りますね。疑ってかかりましょう。正確な実績かどうか、確かめることも必要ですね 。
8
多くの教室を抱える場合の合格実績は、全体の実績と考えて下さい。通われる教室単位の合格実績を聞くべきです。聞いても答えない場合は、無いと考えて良いでしょう 。
9
模擬試験を実施し、中学受験のような偏差値や合格可能性等の結果を渡し、その後、何の説明も無いのは考えものですね
10
お受験に絶対は、有り得ません。「合格出来る」とか、「大丈夫」とか言う教室は疑っても良いと考えます。今時、確実に合格できるなんて学校は、ほとんど有りません。定員割れは1〜2校。受験が楽しい、教室に通うのが楽しい、勉強が楽しい、でも結果は「全滅」では、高いお金を出して、幼児教室に通う意味が有りません。受験後、「あともう少しでした、残念でした」「実力は付きました。公立小学校も良いものですよ!中学受験で頑張りましょう!。」と言われるが関の山ですね
11
先生は、お子さんが好きですか?。良い例が、休憩時間や、授業の前後の時間に、その先生にお子さんがまとわり付いていますか?。子どもの目は正直です。子どもを「チック」にするなんて問題外です。お子さんの人生を潰すことになります。本末転倒ですね。
12
授業料は明朗ですか?「安い」「高い」を言っているのではありません。その授業料が価値あるものだったら良いのです 。これからの時代は、私は、「正当な対価」がキーワードになると考えます。高くても「良い授業+結果が合格」であれば 何も問題はありませんね。安くて「合格」は最高!、反対に、「安物買いの銭失い」は、駄目なんですよ。これが、私の考える「正当な対価」なんです。
13
何ヶ月もの授業料を前納させる教室は、エステや英会話教室じゃあるまいし、疑ったほうが良いと思います。そんなことを言われたら、はっきり断りましょう。それが駄目なら、疑いましょう 。脱会する勇気を持ちましょう。
14
「これで良いのか?」「子どもの実力が伸びていない」etcと思ったら、直ぐに、ドンドン質問を投げ掛けることをお勧めします。何もしないと、その「予感」は当たってしまいますね。一刻も早く、対策(場合によっては教室を変わる)を考えたほうが良いです 。
15
これは、酷い例です。家庭教師を派遣するにあたって、自宅を訪問する。訪問して、その際、裏口入学をほのめかす教室は問題外です。その金額2〜3千万円をふっかけてきます。入試直前に、模擬面接や願書添削で、それぞれ、60万円や20万円なんて愚の骨頂です。トータル5千万を詐取されて、結果、全て不合格なんてのもあり得ます。受験後、「あともう少しでした、残念でした」「ご両親が悪かった」etcと言われるのが関の山。詐取された方も、泣き寝入りです・・・・ 。
16
「校長を紹介する」「単願推薦がある」等々を言う幼児教室は疑って下さい 。例え、 校長先生に会えたとしても、それは、通常の学校訪問の延長線なのです。後者は、学校向け対策授業や直前講習等を受けさせる目的と考えます。
(注) 幼児教室によっては、ほんの若干数(多分1人)ぐらい推薦がある場合もあるかもしれません。難関人気校は、殆ど有りませんね。
17
過去問題だけを、ガンガンやらせる教室は????です。しかも、1年前から、過去問題をやらせる教室は、子どもを潰します。まして、こぐま会の教材をそのまま使用したり、名前をだけを変えて使う教室もあります。そんな教室に、高い授業料を払うのは無駄です。百歩譲って、ご自分で購入して、ご自宅でやれば良いのです。真の実力を付けないと、お受験に勝ち残ることは無理です。ペーパーが重視されるといわれる学校は、今や、極々少数になったと言われています。それ以外は、行動観察・指示行動のウエイトが高く、ペーパーは、いわゆる「足切り」に使われるようです。大学受験で例えれば、「センター試験」なんです 。
18
先生の質を見ること。信頼出来る先生かどうか。学生のバイトが多い。先生がしょっちゅう替わる等もおかしな話です。助手が沢山いても、生徒の人数が多くて、指導できていない教室は、お子さんに余程実力が無いと、合格は難しいと考えますね 。
19
幼児教室に通うのは、せいぜい週1日か2日ですね。それ以外は、家庭や幼稚園での学習が重要です。次回の幼児教室までの過ごし方等を的確に指導してくれる教室は良いですね 。
20
ご両親への「アドバイス」「注意」と「暴言」とは違います。幼児教室の先生も人間です。たまには、イライラすることもあります。しかし、いつもイライラしている先生は考えものです。様々な相談に乗ってもらえない先生・教室は考えものです。しかし、聞くほうにも問題がある場合もあります。的確なアドバイス(時には、“良薬口に苦し“って時もありますね)をしてくれる教室を選びましょう。差し障りのないことだけを言い続け、秋になった時に、何も実力が付いていないのでは、困りものですね 。
21
一人ひとりの合格は、生徒の力!沢山の合格者は、教室の力!と考えます 。
22
最後に、両親のことも書きます。実際に合格させるのは。両親の力ですね。日々の家庭で、いい加減な生活や、両親の社会的常識の欠如は致命傷ですね。サッカーや野球で例えれば、幼児教室は、監督、お子さんは選手なのですね。実際に、試験を受けるのは、お子さん。両親がどう動いたら良いか適切なアドバイスや指導が幼児教室に求められます。まさに、「コーチング」の世界です。監督がどうしようもない馬鹿だと、選手は満足な結果を出せるはずなどありませんから。
■最後に
貴重な時間と少なくない資金を注ぎ込む「お受験」。それを勝ち抜くには、両親が賢くなりましょう。「他力本願」では駄目なのです。「自力本願」でないと駄目なのです。これから小学校受験や幼稚園受験をお考えの方はこうも考えて欲しいものです。現代の少子化は、まだまだ続きます。今のお子さん達が大学を受ける時代は、大学が余っている時代になります。過去は、「大学に行けなかったから就職する」時代でした。しかし、これからは、「就職できないから大学に行く」時代になります。願書を出せば合格する時代が来ると言っても過言ではありません。そんな時代が来ること、それは、間違いないでしょう。これからの時代を鑑み、

何のために「お受験」をするのか?させるのか?

どの学校に入学させたいのか?

その基準はどこから来るのか?

ファッションのように「お受験」を考えていないか?etc?

もう一度、よく考えてみてください。これからは、人間性が問われる時代。大学に入る為だけの小学受験ではないはずです。どこの学校を受験するのか?どうしてその学校を選んだのか?親の見栄ではなく、そのお子さんに合った学校を見つけ、合格させる為には本当のプロの力が必要だと思います。そこに、明確な「目的・目標」さえあれば、後は、戦略ですね。皆さんの正しい「お受験」を祈念して終わることにします。
 文責 木下 健藏