附属小学校での家庭学習 |
【前編】 大学の附属小学校では、普通にやっていれば大学受験の必要がない。しかしながら、大学としても外部から受験して入学してくる学生と大きな学力差があっては困る。また人気学部へは内部進学と言えどもそれなりの成績が必要だ。 また高校までしかない附属小学校は系列高校の多くは進学校である。中学入試で優秀な生徒がたくさん入ってくる。こちらの方が中学・高校で差が付かないようにしておかなくてはならない。 さらに、名の知れた大学を出ていれば就職できた親の世代とは違う世の中になっている。本人の資質や能力重視の時代だ。知り合いの小学校受験して有名大学附属校に入った息子をもつ母親から「うちの子はまったく勉強しなくて困ってます」とグチをこぼされる。 有名私学には派手に遊んでいても将来が約束されている、企業オーナーの子女が在席している。それにつられて羽目をはずしてしまうと困ったことになる。 そこで、中学受験しない私立小学校の生徒が、どのような家庭学習をしておくべきか考えてみたい。 |
【規則正しい生活習慣】 |
そしてその中に家庭学習の時間を組み込むと良い。例えば毎日食事前に1時間というように。学年が上がるにしたがって時間は延ばす必要が出てくるだろう。 テレビは見たい番組を決めて、ダラダラと見ない。あるいはDVDレコーダに録画して見る。その方がCMをカットできトータルの視聴時間を短くできる。
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【子どもの意欲を育てる】 |
また自主性を育てるために、親が「あれをやれ、これをやれ」と与えない。いくつかの教材を準備して自分で選ばせてもいいし、計画表を一緒に作って「自分で決めた」という意識を持たせる。 達成感が味わえるような教材を与える。厚い問題集よりも薄い問題集の方が終わりまでやりやすいし、終えたらすぐにほめることができる。 集中力を育てるには周りの協力も必要。勉強しているときには他の人もテレビを見たり、ゲームをしたりしない。大学在学中に司法試験の勉強をしている兄弟が、一緒になって学校の勉強しているという例がある。 家の中でなんでもやってもらえる「お客さん」にしない。自分の役割を与えて毎日こなさせる(ゴミ捨て、風呂掃除、食器洗い、洗濯などなんでもいい)。他人の役に立っているという自覚がわくと同時に、自分も同じようなことをしてもらっていると気づく。 |
【セルフコントロール】 |
欲しい物を得るには嫌なことも逃げずにやる必要があることを知ると、欲望を我慢できるようになる。早い話が ・筋力をつけたいけれど、運動するのは嫌だ などと言っていては目標はかなわないのだから。スポーツや芸術を一所懸命やるのは、セルフコントロール力を鍛えるのによい。もちろん「50m泳げるようになる」「試合に勝つ」「発表会で演奏する」というような具体的目標を持たなくては意味がない。達成すべきレベルが見えて初めて努力できる。 すぐにはできないけれど突破できそうな目標を超えていくことを繰り返すことで、より大きな目標に向かう力が養える。小学生でも小さい内は自分で目標が決められないかも知れない。そんな時は本人が「今はダメだけど、なんとかできそうだ」と思える目標を提案してやるといいだろう。 例えば次のように。 セルフコントロールができる子どもは、「自己肯定感が強い」という特徴がある。つまり周囲から認められているという安心感を持っているのだ。まず親が子どもを子ども扱いせず認めてやっているということ。心理学の交流分析でいうところの「私はOKである。あなたもOKである。」という心の構えを持つことが望ましい。 もしかすると小学校受験に際し「私はOKでない。あなたはOKである。」と思わせてしまっているかも知れない。「あらまあ、なんでこれができないのかしらねぇ。」と何気なく漏らしても子どもはしっかり聞いているから。 そうであれば、「あなたはOKよ」のメッセージを多く送ってやらなくてはならない。 |
学習面に入ろうかと思ったが、長くなってしまったので続きは次回にUPする。 |
e-お受験 黒田官兵衛筆 文責 木下 健藏 |