中学や高校、大学受験の話題が多くなる時期になりましたが、小学校受験の準備をされている方も残された時間が気になることと存じます。説明会を控えてどの学校を見学に行こうかと思案中かもしれません。志望校選択は基本的に親の属性で選ぶものなのですが、大半の方は子供がどこに合っているのか?実力的にどうなのか?等々の子供基準で選択していると思います。
私は多くの子供を拝見して参りましたが、特殊な子供を除き小学校受験が無理な子供は少数と思っています。よく躾面、育ちや積極性等々の理由でわが子は小学校受験に向いていないのでは?と考えるご両親がいます。でも小学校は選抜の幅を意外に持っている事を、模擬の過去の合格データは示しています。
模擬テストで、よく合格可能性を%で示しているのを見ますが、はっきりいって小学校受験ではあてになりません。何故なら親の属性や願書・面接を含めての評価で可能性を示すべきだからです。それでも子供の実力を確認するためには通常行われている模擬テストを利用するしかありませんから、皆さんは模擬テストを利用しておられるのです。
当会は20年前に教室数を四教室から麹町だけに減らすことで、各回の模擬を同条件で行い、結果について保護者の方との面談時間を多くとれるようにしました。
保護者の方々の履歴や小学校の何を望んでいるのか等々を確認しないと、進むべき学校の属性が見えません。知り合いが○○小学校に通っていて…などは選択理由としてはあまりにも単純すぎますし、自身の卒業大学等でその附属小学校を選択するのも公立以外を選ぶ理由としては考えが浅すぎます。何故親の属性が重要かというと、小学校は6年間という子供にとっては長期間の学びの場であるため、その学校の体質に子供が染まるからです。地域性で決定する公立と異なり私立・国立附属校の個々の体質の違いは、平均的な保護者の層によるものであることを小学校受験を目指す保護者は理解して欲しいのです。それが中学受験以降との決定的な違いであり、志望校決定のポイントなのです。
保護者面接の無い学校は、子供の実力で決定すればよいので単純ですが、面接のある学校では、保護者が自身のことをよく理解していなければなりませんし、学校の体質を理解して願書や面接の準備をしなければならないので大変です。受験生の中にはどの学校でも欲しくなる魅力や実力を身につけている子供もいて、親が真っ当であれば合格になるのですが、全体の数%にすぎませんから、例外といってもよいでしょう。
当会では模擬テストの受験者に対して、その回の受験者得点記録と、合格校や実際に入学された学校のデータを個人名を特定できないような配慮して、適切な時期に結果表に添付しています。勿論、不合格者も隠さず載せています。不合格の理由として研究不足もあるでしょうし、本番で力を出す為の社会経験が不足している(精神年齢が幼い場合が多いです)、伸びる時期を見逃す、わが子が可愛いために追い込めない(赤ちゃん扱いから脱却できない)等々の様々な理由が考えられます。受験に絶対はありませんが、子供に力をつけたのに不合格を繰返すのは、ご両親の受験校選択の誤りが原因です。殆どの場合両親の意思が最後まで揃わないケース(父親の頑固さや、母親の迷い等々)や、実力不足なのに難関校ばかり受験してしまう認識の甘さが起因のケースです。(模擬テストを受ける意味が無いですね…)私は、ご両親が自身を磨き成長することで、子供も追従していく姿を見続けてきましたから、当会の模擬等に関わった方々には、ご両親が最良の姿になられるように最善を尽くしたいと思っています。
その為にも、模擬後にお返しする結果表等は、準備に役立つものにするため以下の点に考慮して工夫しています。
・面接や個別考査では子供の答えた言葉を正確に表記しているので、家や教室での様子との違いがわかります。
・行動観察や絵画造形考査では、考査で最も大切な、その過程や人としての魅力にまで踏み込んだ評価をします。
・ペーパー考査では、一分野の問題に難度の段階をつけ、どこまで理解や思考できるかがわかるように問題作成をしています。
以上のように通常模擬(全5回)では、現段階での総合力をご両親に正確に判断頂けるような考査が狙いです。模擬テストで志望校を本当の意味で決定するのは八月です。それまでの模擬テストはご家族が合格に向けて何を学習すべきかを判断する為の機会としてご利用下さると有難いです。考査後の面談では、子供の様子だけでなくご両親が知らない魅力もお伝えします。
小学校受験は、費用面の条件を満たした常識のあるご家族に平等に門戸を開いているのです。あとは母親の伸ばす情熱と日々の努力に、よき理解者で応援団である父親の存在が必要なだけです。私たちが最後まで応援しますから、模擬テストを有効利用し合格につなげてください。
麹町 慶進会幼児教室
塾長 島村 美輝
小学校受験主任 谷内 かおり |