幼稚園受験を考えるご両親へ 幼児受験の人気が高まる中、年々子供への教育熱は高まるばかりです。 「少しでも良い環境に、自分よりも良い人生を与えてあげたい」 我が子を一人前にと思う心は親であるならば当然の事かもしれません。しかし、現実は過度に栄養をつけ過ぎ最初は良かれと思っている事も、気がつけば理想を押しつけようとしている身勝手な親の姿がみられます。子供にとって親の期待を背負う程苦しいものはありません。もう少し親の考えに「優しさ」を感じとれるような育て方を意識する必要があると思います。
私がまず来室の際、受験を考えるご両親にお聞きすることは 「なぜ、幼稚園受験をしようと考えたか」 「なぜ、公立ではなくわざわざ私立なのか」という事です。ただ、漠然と考えているだけではありませんか?最初は自分達で決めた受験ではありますが、実際には選ばれる≠ワさに厳しい現実が待っています。「どこかに合格するのではないか、たかが幼稚園だろう。子供の発達さえよければ、幼児教室に通えばなんとかなるさ」等々人事のように甘く考えている方が多く見られます。また全神経を子供に集中させ、子供だけに目を向け夢中になっている母親がおられますがむしろ秀でる魅力を誰より持たなければならないのは親自身です。親の経験などから築きあげた人生観なくしてどうして我が子を育て導くことができるでしょうか。今までの生き方総てが問われる、これこそ幼稚園受験です。
そしてご両親には「子供を何の為に幼稚園、小学校に通わせるのか」この基本的問題をもう一度考えて頂きたいと思います。親を喜ばせる為ではなく、一流企業に就職する為のものでもありません。それは大人になる為の修業の場であり自分とは何かを見つけ、子供自身が社会を学ぶ為であると私は考えます。最後に慶進会が皆様にとりまして教師と共に成長できる自己鍛錬の場であって欲しいと切に願います。 最年少クラス 最年少クラスの主なねらいは、親元から先ず離れられ、幼稚園生活に必要な体力、生活力、社会力この基本をしっかり身につける事です。日々の繰り返し、積み重ねにより習得、成長するこの時期、特に家庭での教育が最も大切であります。なぜならば、親の子育てが子供の発達に大きな影響を与えているからです。言語面の発達も絵本の読み聞かせは勿論の事、語りかけは重要です。お母様が子供が分かり易いといつまでも幼児語を使っていては語彙が増えないばかりか、集団生活に於いて他者との交わりの中で支障が出てしまいます。
必要以上に言葉をかけ過ぎてしまう母親もおられますが、大切なのは対話です。口を出し過ぎず、手を出し過ぎず、母親の見守る姿勢、特に忍耐力が何よりも必要です。この時期の子供は何でもやりたがる旺盛な面と、気の向く時だけ行い他は依存するといった面がみられます。親や教師を頼らず、一人で身の回りの事ができるようになる事は自立の一歩であり、特に最年少クラスの大きな課題でもあります。最年少時期に於ける生活力は知的能力に比例していると言っても過言ではありません。教室では年齢に即した刺激を与え、集団で学ぶ姿勢を身につけ遊ぶ楽しさを体感して頂きたいと思っています。
年少クラス 年少クラスは、幼稚園受験ではありますが、知識の深さは違えど子供への刺激の与え方、受験時の子供自身の意識の持ち方はむしろ小学校受験に近いと考えています。それぞれの子供が目標を持ち、成長していく中で、最終的には力を出し切る強さ、全てを受け入れ楽しむ適応力が必要ではないでしょうか。最年少から年少にかけてのこの一年の成長ぶりは著しいものです。子供としての魅力、その子らしさを兼ね備えた上で、しっかりとした土壌作りを授業を通し、高めていきたいと思っています。この時期の子供と接し、成長を感じる事は、活動中苦手な事や出来ない事があった時、どの子供も頑張ろうという気持ちが芽生えることです。友達の姿を見ていいなあ〜、上手だなあ〜と思う子供もいるでしょう。少しずつ他者の存在を意識するようにもなります。様々な感情が表れてきて心の成長を感じます。ケンケンが出来るようになった、ひも結びができるようになった等、理由は様々ですが、お兄さん、お姉さんになったと子供が自覚できるような小さな達成感を味わう事で自信をつけていきたいと思っています。年少クラスでは、是非、子供自身に努力することの楽しさ、お母様には積み重ねていく事の大切さを感じて欲しいと思っています。 |