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■麹町慶進会

※麹町慶進会の考える小学校受験の出題内容とは?

 これから小学校受験の出題内容を具体的に述べますが、幼稚園受験にはこれらの基礎的なものをペーパーを使用せずに、個別と集団テストで選抜すると考えてくだされば理解しやすいと思います。次のページでまとめた受験内容をご覧頂ければわかるように、小学校受験の内容というのは多岐にわたっています。私達の教室では年中から年長にかけて多くの指導機会を通じてこの全ての内容を身につけさせるわけです。当然、家庭における補習が必要となります。指導内容解説を毎回の指導時に行っている理由がご理解頂けるでしょう。これだけの領域の習熟度を達成するためには、母親の根気と時間の作り方が重要であり、父親の協力と理解も当然必要になってくるわけです。これらの能力を身につけた子供たちは、小学校3年生くらいまで学校の基礎学習で苦労しませんから、結果的にもっと深い領域の学習や学外活動にも力を入れる事ができることになりますし、何よりも精神的に大人になっており、親離れが早くなり独立心も強くなります。

 
領域 問題内容 言語 話の理解、話の創作、しりとり、同頭・同尾語、擬音語、名詞・動詞・形容詞の理解、短文読み
記憶 話・図形・絵・物・数・位置・短文の記憶、数の順唱・逆唱
抽象 同類発見、異類発見、同図形発見、同画発見、類似と差異
推理 空間判断、図形発見、展開図形、図形の系列、絵の系列、図形完成、迷路、関係把握、言語推理、重ね図形、音・鳴き声の判断
数量 計数、対応、加算、減算、分割、軽重判断、数の比較、量の比較、数の多少、順番、真ん中、長短、数詞、名詞、補数
模写 点図形、図形模写、絵の模写、位置の模写
構成 図形構成、図形合成、図形分割、積木構成、プレート構成
空間 前後、上下、左右、方向の判断、位置の判断
常識 科学的常識、道徳的判断、交通常識、躾、作法、挨拶と言葉、時間の推移
巧緻性 紐結び、紐通し、色塗り、箸の使用、鋏の使用、包む、はち巻き、折り紙
反応速度 抹消、置き換え
触感覚 形・材質の触感覚
絵画工作 自由画、自由工作、課題画、課題工作、粘土工作、折り紙、ぎり紙
音楽リズム リズム打ち、リズム運動、リトミック、歌唱、自由振付、曲と絵の感覚
運動 模倣体操、スキップ、ケンケン、駆け足、ジグザク走、ゲーム運動、投球、跳躍、平衡感覚、転回、懸垂、トランポリン運動、反射運動、棒登り、幅跳び、ゴム紐跳び
行動観察 身体検査 個人、集団(ゲーム・ごっこ遊び・命令行動等)、紙芝居を見る、衣服の着脱、飲食、一般検診
面接 常識事項、公衆道徳、躾、社会性、知的事項、言語表現力
 

 このように整理してみると、受験のことを漠然と見ておられたご両親にも、何を身につけなければいけないか理解できると思います。大変な事ではあるけれども習得しなければ上位校の合格は望めません。すべてを同時進行で準備することは無理ですから、準備期間を3つ程度の期間に分け、その月や週の目標を立てながら進めますから、幼い子供は難度や量を減らす工夫が必要で、発達の早い子供は完成を遅らせて維持する期間を短くする調節も必要です。子供は生身の身体ですからその子供の限界に越えた量や要求は、子供の意欲を失い結果につながるということをご両親にご理解頂きたいのです。記憶系などはある程度型ができると、毎日行うとできなくなってしまう分野です。簡単に言えば飽きてしまうからなのです。記憶系は後半戦では教室の授業だけに任せるのもひとつの方法です。又、壁にぶつかりやすい推理系は総合力がついてからでも遅くありません。教室では早い時期から出題していきますが、家庭学習はその子の成長を考えたやり方をしないと、子供が潰れます。絵画造形や行動観察の領域は成長を待つ必要はありません。ただ最初に考えなければいけないのは、その内容を楽しめる子供にする方法です。絵を描かせる場合でも、細かい要求ばかりして絵を苦手にしてしまう親をよく見かけます。元々、絵画造形や行動観察は遊びの中から発達していく分野ですから、結果ばかりを評価しすぎると、子供の勢いを無くします。この事はご両親が絶対に忘れないで欲しいのです。夢中になるとご自身の姿が見えなくなりますから。

 各分野の詳細な学習の仕方は授業解説に任せるとして、もう一つ大切な事を申し上げるとすれば家庭学習においてその子供の弱い分野から行うべきか得意分野から行うべきかの方向性を決める必要があるということです。これには正解はありません。子供の性格とそれまでの成長度によって違うとしか言い様がありませんので、教師とよく相談して欲しいのです。私の経験では勉強嫌いの原因となる「算数が苦手」と似ているのですが、ペーパーを解く能力を上げことにより子供に自信をもたせ、勉強は楽しいと感じさせることから絵画造形、行動観察系を仕上げていく方が伸ばしやすいと思います。その上で得意分野を作り、その事から全分野に自信を持たせていくようにする方が、志望校選択も楽になりますし精神面の安定にもつながります。この10年、行動観察の重視傾向がよく言われますが、行動観察だけできれば合格するという勘違いをする方も多々見られ、ペーパーができないことを理由に志望校を行動観察系の学校だけに変更する方がよくいますが、ほとんどの方が不合格につながります。十分な知力、思考能力を持った上での絵画造形や行動観察であることを忘れないで下さい。

 

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